『普通の結婚』ができない？…あなたの言う普通の恋愛、私にとっては普通じゃないよ

あなたの中で、『普通の恋愛』とはなんですか？

答えは、もちろん用意しなくていい。

戦後じゃあるまいし、価値観が多様化している現代の日本では『普通』って人によって違って当たり前だと思うんです。

足立区議員のオジサンが、『異性と結婚して子供を産むのが普通』といった発言をしていたようですね。びっくり〜〜〜！まだいたんだぁそんな化石。。

この発言が批判を浴びている理由って『何が普通で、何が普通じゃないか』って問題ではなくて、あなたの思う普通と私の思う普通は違うんですよ〜って言いたいんだと思います。

だけど、凝り固まった昔の概念しか持ち合わせていない方からすると『いや、俺の中では異性間恋愛が普通だし、なんも間違ってないんだけど？』となるのも無理ありません。だって、それも"普通"と言っちゃ"普通"ですからね。

でも公の場で発言する人間なのだから、自分の中の普通や常識を正当化するような発言はどうなのかなぁと思っちゃいました。

今回はセンシティブなLGBTや結婚観についての問題だったのであれだけ燃え盛ってしまいましたが、よくよく考えてみると自分の中の普通を他人に押し付けてしまう場面って意外とあるのではないかと思ったので、実際に私が感じたことを元に考えてみます。

今回のことについて考えを巡らせてしまったのはおそらく、私の祖父母と母親が"自分の普通押し付け星人"だったからだと思います。

私は小さい頃から、おそらく平均よりもかなりいい暮らしをしていました。

小学校からエスカレーター式に進学できる私立学校に入れてもらい、物欲はあまりなかったけれど休みの日には映画やショッピングモールに連れて行ってもらって何かしら買ってもらえたし、おじいちゃんやおばあちゃんは会うたびにお小遣いをくれた。

けれど、私が高校3年生の時、父親が急に失踪してしまい家計は一気に火の車に。私もなんとかギリギリのところで大学を受験させてもらうことができ、祖父母の援助を受けながら生活していました。

そんな訳で今はもちろん全て自分で働いたお金で生活しているので、決して裕福な暮らしではないんですが、それでも私は好きなものにはお金を使うし、仕事は大好きだからバリバリ働くし、しっかり恋愛しているし、すごく幸せなんです。

でもそんな私に母親は、「もっと"普通"に、幸せになって欲しかったな」と会うたび漏らします。

私はそれを言われるたびに「私、"普通"に幸せだよ？」と返しているのですが母はいまいち腑に落ちない顔をします。

まあ確かに私は、偏差値の高い大学に行きながら新卒でベンチャーに入社しているし、彼氏はずっといなくてフラフラ好きな人ができたりできなかったりしていて、なんとなく母の思う"王道"からは逸れている人生かもしれないけど。

自分が満足している状況を『不幸せである』と認識されたことが、なんとなくいつも悲しかった。しかも実の母親に。

今回の炎上も、この『え、何それ〜なんか悲しい〜。。』みたいな感情がそれぞれに沸き起こっちゃってるんじゃないかなぁ。

見出し通りの結論なんです、結局は。

実際には自分が幸せならいいやって思える人間なんて少ないと思います。

たとえば現代のマーケティングとか教育とかプロモーションとかって刷り込みだし、車を売るためには『車を買えば幸せになれる』ってイメージを世に浸透させないといけない。マッチングアプリを宣伝するためには『結婚ってこんなにいいものなんだよ』ってアピールしないといけない。

私たちの資本を支えるビジネスは、そういった少し洗脳チックなもので成り立っていると思うから。

でも、だからと言って『車を持っていない人は不幸だ！』とか『マッチングアプリを使わない結婚はうまくいかない』とまで言ってしまうと、過剰プロモーションな訳です。

だから今回ちょっと失言しちゃった議員さんも、『僕にとっては、結婚して子供を産むことが最大で普遍的な幸せだと思ってますよ！ま、他の人は知らんけど！』って言えば全然問題なかったのになぁ。

何が言いたいかというと、結局は、自分が信じる幸福論を信じればいいのだと思います。

ほら、椎名林檎も『君が其処に生きているという真実だけで幸福なのです』って歌ってるじゃん？

まあこれってそんなに簡単なことではないけど、他人からどう見えているから不幸だとか幸せだとか、そんなバカみたいなこと考える暇あったら今一番会いたい人に走って会いに行っちゃえ〜〜。って思うんです。